春の夜の夢のごとし

頭を占める行き場のない記憶。
でも、話したくないのだ。
たぶん話しているうちに、相手への恨みごとにたまらなくなり、自力で片付けられない自分のふがいなさに悲しくなり、暗くなるから。
かといって、あれも話したくないのだ。
失敗したと思えばいいのか、まだ可能性を探していればいいのか、自分の方向が見えなくなり、泣きたくなるから。
大きな失敗も危機もなくここまで来たから、うまくいかなかったことをどうしたらいいのかわからない。
忘れてしまえ、明日考えたらいい、と思っても、そんなコントロールが利く頭じゃないようで。
いままで気づかなかったが、私は、どうしようもなく一人だ。
考え疲れて眠ると、また夢に出てくる。
誰もやさしく笑わない。
かといって私を傷つけることもない。
許す人も叱る人もない。
夢のなかですら、私は何ひとつ深入りされずに、干渉されずにいる。
どこまでもどこまでも一人だ。
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